親御さんが老人ホームへ入居されることになり、「空き家になった実家をどうしよう?」と悩んでいませんか。
施設の入居費用や月々の支払いを考えると経済的な不安は尽きませんし、かといって長年住み慣れた家をすぐに売却して良いものか判断に迷う方も多いでしょう。
「空き家のまま放置すると税金や管理費はどれくらいかかるのか」
「売却するなら、どのタイミングが一番損をしないのか」
「税金が高くなってしまうのではないか」
などの疑問も多いでしょう。
そこでこの記事では、実家の「売却」「維持」「賃貸」それぞれの判断基準を分かりやすく解説します。
さらに、売却を決断した場合に知っておくべき5つのメリットや、税金の負担を最大3,000万円も軽減できる優遇制度、そしてその制度を最大限に活用するための最適な売却タイミングについて説明します。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
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老人ホーム入居に伴う自宅処分|売却・維持・賃貸の判断基準

親御さんが老人ホームへ入居された後、空き家となるご実家をどうするかは、ご家族にとって大きな決断です。
主な選択肢として、「売却する」「空き家のまま維持する」「賃貸に出す」という3つが考えられます。
自宅を売却するケース
ご実家の売却が推奨されるのは、主に資金的な必要性が高い場合や、将来的にその家を利用する予定がない場合です。
まず、老人ホームの入居一時金や月々の利用料は、時に高額となります。
特に民間の施設では、数百万円から数千万円の初期費用が必要になることも少なくありません。
年金収入だけではこれらの費用を賄うことが難しい場合、自宅を売却して得た資金は、施設費用や今後の医療費、介護費用に充当できるため、経済的な不安を大きく軽減してくれます。
また、親御さんがご自宅に戻る見込みがなく、お子さんやお孫さんなど、ご家族の中にその家を引き継いで住む予定の方がいない場合も、売却は有力な選択肢です。
誰も住まない家を所有し続けると、固定資産税や火災保険料、定期的な修繕費といった維持コストが発生し続けます。
早期に売却することで、こうした将来にわたる金銭的・精神的な負担から解放されるというメリットがあります。
自宅を維持するケース
一方で、すぐに売却せず、ご実家を維持した方が良いケースもあります。
これは、親御さんのお気持ちや、ご家族の将来設計が関わる場合です。
例えば、親御さんが新しい施設の生活に馴染めず、ご自宅へ戻りたいと考える可能性もゼロではありません。
特に、多くの施設では入居から90日以内であれば入居金が返還される「クーリングオフ制度」が設けられています。
この期間は、慌てて売却を進めずに様子を見ることで、親御さんが万が一退去された場合でも帰る場所を確保でき、安心です。
さらに、将来的に「お子さんやお孫さんが実家に住みたい」と考えている場合や、相続税の対策を検討している場合も、維持するメリットがあります。
相続の際に「小規模宅地等の特例」という制度を利用できれば、土地の相続税評価額を最大で80%も軽減できる可能性があります。
売却して現金化してしまうと、この特例は利用できなくなるため、相続税の負担が増える可能性がある点は注意が必要です。
老人ホームの種類と費用の目安
ご実家を売却するかどうかの判断は、入居する老人ホームの種類と、それに伴う費用計画に大きく左右されます。
施設によって費用は大きく異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
| 施設のタイプ | 初期費用の目安 | 月額費用の目安 |
| 特別養護老人ホーム(公的) | 0円/不要 | 5~15万円 |
| 介護付き有料老人ホーム(民間) | 0円~数千万円 | 15~数百万円(20~50万円が多い) |
| 住宅型有料老人ホーム(民間) | 0円~1千万円/数千万円 | 15~数百万円(10~50万円が多い) |
公的施設である特別養護老人ホームは費用が比較的低いですが、入居待機者が多いという課題があります。
一方、民間の有料老人ホームは選択肢が豊富ですが、費用は高額になる傾向があります。
まずは親御さんの預貯金や年金収入と、入居を検討している施設の費用を照らし合わせ、長期的な資金計画を立てましょう。
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老人ホーム入居時に自宅を売却する5つの主要メリット

親御さんが老人ホームへ入居された直後は、ご実家を売却するのに最も適したタイミングの一つと言えます。
ここでは、ご実家の売却がもたらす主要なメリットを5つの視点から解説します。
経済的負担を大幅に軽減できる
ご実家を売却して現金化することで得られる最大のメリットは、経済的な負担の軽減です。
老人ホーム、特に民間の施設では高額な入居一時金や月々の利用料が必要となり、親御さんの年金収入だけでは賄うことが難しいケースも少なくありません。
売却によってまとまった資金を確保できれば、これらの費用はもちろん、将来的に必要となる可能性のある通院費や入院費用、外部の介護サービス利用料などにも安心して充当できます。
「貯金が底をついてしまったらどうしよう」といった親御さんやご家族の金銭的な不安を取り除き、穏やかな老後を送るための経済的な基盤を築くことができます。
空き家の維持にかかるコストと手間を削減できる
誰も住まなくなった家でも、所有している限り様々なコストが発生し続けます。
毎年必ず課税される固定資産税や都市計画税は、その代表例です。
さらに、家は人が住まなくなると換気が滞り、湿気によるカビやシロアリの発生など、急速に劣化が進みます。
そのため、定期的な清掃や修繕といったメンテナンスが不可欠となり、高額な費用が発生することも珍しくありません。
ご実家を売却することで、こうした継続的な金銭的負担と、遠方からの管理といった精神的な負担の両方から解放されます。
税金の優遇制度を利用して手取り額を増やせる
ご自宅を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常はその利益に対して所得税や住民税が課税されます。
しかし、一定の要件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を利用できます。
この特例を適用できれば、譲渡所得から最大3,000万円まで控除され、結果として納税額を大幅に、あるいはゼロに抑えることが可能です。
この制度を有効に活用することで、手元に残る現金を最大化できるのは非常に大きなメリットです。
親の判断能力低下による売却困難リスクを回避できる
不動産の売却は、所有者本人の明確な意思に基づいて行われる必要があります。
もし親御さんが認知症などにより契約内容を理解する判断能力を失ってしまった場合、たとえご家族であっても代理で売却手続きを進めることはできなくなります。
そうなると、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任してもらう必要があり、手続きには多くの時間と費用がかかります。
親御さんがお元気で、ご自身の意思をはっきりと示せるうちに売却を進めることで、将来的に売却が難航するリスクを未然に防ぐことができます。
特定空き家指定による固定資産税増額のリスクをなくせる
管理が行き届かない空き家を長期間放置していると、倒壊の危険性や衛生上の問題があるとして、自治体から「特定空き家」に指定される恐れがあります。
特定空き家に指定され、行政からの改善命令に従わない場合、土地にかかる固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、税額が最大で従来の6倍にまで跳ね上がってしまう可能性があります。
これは非常に大きな経済的ペナルティです。
ご実家を売却してしまえば、このような将来的なリスクを根本からなくすことができ、安心して親御さんのサポートに集中できます。
自宅売却の「最適なタイミング」と税制優遇の期限

ご実家の売却を決断された場合、次に重要となるのが「いつ売却するか」というタイミングの問題です。
実は、このタイミングをいつにするかによって、手元に残る金額が数百万円単位で変わってくる可能性があります。
特に、税金の優遇制度には厳格な期限が設けられているため、最適なタイミングを逃さないことが極めて重要です。
ここでは、自宅売却におけるベストなタイミングと、その判断基準となる税制上の期限について解説します。
税制優遇の期限
ご実家の売却において最も意識すべきなのが、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」という税制優遇の適用期限です。
この特例を利用するためには、親御さんがその家に住まなくなった日、つまり老人ホームへ転居した日から数えて「3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却を完了させる必要があります。
具体例を挙げると、もし親御さんが2024年5月10日に老人ホームへ入居された場合、3年を経過する日は2027年5月9日です。
その日が属する年、つまり2027年の12月31日が、特例を利用できる最終的なタイムリミットとなります。
この期限を一日でも過ぎてしまうと、特例は一切適用できなくなり、売却で得た利益に対して高額な譲渡所得税が課されてしまいます。
この期限は不動産売却を考える上で絶対的な基準となるため、必ず覚えておきましょう。
早めの売却が推奨されるその他の理由
税制優遇の期限以外にも、早めの売却をおすすめする理由はいくつかあります。
- 建物の資産価値の低下を防ぐ:建物、特に木造住宅は、築年数が経過するごとに資産価値が下がっていきます。さらに、人が住まなくなった家は換気が不十分になり、湿気によるカビの発生や建材の傷みなど、劣化のスピードが速まる傾向にあります。売却時期が数年遅れるだけで、査定額が何百万円も変わってしまう可能性も十分に考えられます。より良い条件で売却するためにも、建物の価値が大きく下がる前に動き出すことが賢明です。
- 親御さんの認知症発症リスクを回避する:不動産の売却には、所有者本人の明確な意思確認が不可欠です。もし親御さんの認知症の症状が進行し、判断能力が低下してしまうと、ご家族であっても売却手続きを進めることができなくなります。その場合、家庭裁判所を通じて成年後見人を選任するといった、時間と手間のかかる法的な手続きが必要になります。親御さんがお元気で、ご自身の意思をしっかりと示せるうちに手続きを始めることが、スムーズな売却の鍵となります。
- 「売り急ぎ」を避ける:「介護費用が急に必要になった」といった状況になってから慌てて売却を始めると、時間的な余裕がなく、買い手から足元を見られて相場よりも安い価格で手放さざるを得ない「売り急ぎ」の状態に陥りがちです。時間に余裕を持って売却活動を行えば、複数の購入希望者と比較検討し、より有利な条件で交渉を進めることが可能になります。
老人ホームへのお引っ越しの半年以内がオススメ
不動産の売却は、査定依頼から始まり、不動産会社との契約、販売活動、購入希望者の内覧対応、条件交渉、売買契約の締結、そして最終的な決済と物件の引き渡しまで、多くのステップを踏む必要があります。
順調に進んだとしても数ヶ月、場合によっては1年近くかかることも珍しくありません。
税制特例の3年という期限は、一見すると長く感じられるかもしれませんが、売却にかかる期間を考慮すると決して長くはありません。
親御さんが老人ホームへ転居され、新しい生活に慣れて落ち着かれた頃、半年以内を目安に、まずは不動産会社に査定を依頼するなど、具体的な売却活動を始めることを強く推奨します。
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自宅売却時に利用できる税制優遇・控除の特例

親御さんの老人ホーム入居に伴いご実家を売却する際、非常に重要になるのが税金の問題です。
売却によって得た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税が課税されますが、使える制度を知っているかどうかで、手元に残る金額が大きく変わってきます。
ここでは、ご実家の売却時に活用できる税制上の特例を最大限に活かし、ご家族の負担を軽減するための知識を詳しく解説します。
これらの制度を正しく理解し、計画的に利用することが、賢い売却の鍵となります。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除
ご実家の売却を考える上で、最も基本的かつ強力な税制優遇が「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」、通称「マイホーム特例」です。
この特例を適用できれば、売却によって得た利益(譲渡所得)から最大で3,000万円までを控除することができます。
これにより、納税額を大幅に軽減したり、場合によってはゼロにしたりすることも可能です。
この特例を利用するためには、いくつかの重要な要件を満たす必要があります。
まず、売却する家が、親御さん自身が主に住んでいた「マイホーム」であることが前提です。
別荘や投資用の物件は対象外となります。
また、売却の相手方が親子や夫婦といった特別な関係者でないことも条件です。
そして最も重要なのが期限で、親御さんがその家に住まなくなった日から3年が経過する年の12月31日までに売却を完了させなければなりません。
親御さんが老人ホームに入居している場合でも、この特例が使える可能性があります。
例えば、親御さんが要介護認定を受け、介護サービスを受けるために施設に入居した場合で、いつでも自宅に戻れるように家具などを残し、適切に維持管理されていたといった状況であれば、引き続き「居住していた」と見なされ、特例の対象となることがあります。
相続後に利用できる「空き家3,000万円特別控除」
もし、親御さんが老人ホームに入居された後に亡くなり、ご家族がそのご実家を相続してから売却する場合にも、税金の優遇制度があります。
それが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家特例」です。
この制度を利用できれば、相続した空き家を売却した際の譲渡所得から、最大3,000万円までを控除できます。
ただし、この特例にはいくつかの特有の要件があります。
例えば、建物が昭和56年5月31日以前に建築された一戸建てであることや、売却の期限が相続開始日から3年を経過する年の12月31日までであることなどが定められています。
以前は、親御さんが亡くなる直前に老人ホームへ入居していた場合、この特例は適用できませんでしたが、法改正により、要介護認定を受けていたなどの一定の条件を満たせば適用可能となりました。
所有期間10年超の場合の軽減税率の特例
ご実家の所有期間が10年を超えている場合、さらに有利な税制優遇を受けられる可能性があります。
それが「居住用財産の軽減税率の特例」です。
この特例は、前述の「3,000万円の特別控除」を適用してもなお売却益が残る場合に利用でき、その残った利益にかかる税率を通常よりも低く抑えることができます。
具体的には、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分について、通常の所得税・住民税の合計税率が約20%であるのに対し、約14%まで軽減されます。
この軽減税率は3,000万円の特別控除と併用できるため、高額な売却益が出た場合でも、納税の負担を大きく減らす効果が期待できます。
「小規模宅地等の特例」との比較
ご実家を売却するかどうかを判断する際には、売却した場合の税金のメリットだけでなく、売却せずに相続した場合のメリットも比較検討することが不可欠です。
特に相続税対策として非常に効果的なのが「小規模宅地等の特例」です。
この特例を利用できれば、ご実家の土地の相続税評価額を最大で80%も減額することができます。
ここで注意すべき点は、資産の種類によって相続税の評価方法が異なることです。
ご実家を売却して現金化すると、その売却代金がそのまま相続財産として評価されます。
一方、不動産のまま相続した場合、相続税評価額は実際の市場価格よりも低くなることが一般的で、さらに小規模宅地等の特例が適用できれば評価額は大幅に下がります。
親御さんの財産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるご家庭では、安易に売却するとかえって相続税が高くなる可能性があります。
どちらの選択がご家族にとって最も有利になるかは、資産の全体像やご家族の状況によって異なります。
そのため、「3,000万円控除による譲渡所得税の節税額」と「小規模宅地等の特例による相続税の節税額」を天秤にかけ、税理士などの専門家に相談しながら慎重に判断することが極めて重要です。
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自宅を売却できない・または売却以外の活用方法

親御さんのご実家を売却したくても、様々な事情でそれが難しい場合があります。
例えば、親御さん自身が「愛着のある家を手放したくない」と強く反対されたり、認知症などで判断能力が低下し、売却の意思確認ができなかったりするケースです。
また、すぐに現金化する必要はないが、空き家を有効活用したいと考えるご家庭もあるでしょう。
ここでは、売却が難しい場合や、売却以外の方法で資金を確保するための選択肢について解説します。
親の判断能力低下に備える「成年後見制度」の利用
不動産の売却は、所有者本人の明確な意思がなければ進められません。
もし親御さんが認知症などにより契約内容を理解する判断能力を失っている場合、ご家族であっても勝手に売却することはできず、委任状も無効となります。
このような状況で法的に売却を進めるために利用するのが「成年後見制度」です。
この制度には、判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選ぶ「法定後見制度」と、判断能力があるうちに本人が将来の後見人を指名しておく「任意後見契約」の2種類があります。
法定後見制度では、選任された後見人が本人に代わって契約行為を行いますが、ご実家のような重要な財産を売却するには、別途家庭裁判所の許可を得る必要があります。
この手続きは時間も費用もかかるため、事前の備えが重要になります。
もし将来に備えるのであれば、親御さんがお元気なうちに、信頼できるお子さんなどを後見人として指定する「任意後見契約」を結んでおくことで、いざという時にスムーズに代理で売却手続きを進めることが可能になります。
リースバック
親御さんが「住み慣れた家を離れたくない」という気持ちが強く、売却に同意されない場合の有力な選択肢が「リースバック」です。
リースバックとは、ご実家を不動産会社などの事業者に売却してまとまった資金を得た後、その事業者と賃貸契約を結び、家賃を払いながらそのまま住み続けることができる仕組みです。
この方法であれば、老人ホームの費用などを確保するという資金ニーズと、「家を手放したくない」という親御さんの想いを両立させることが可能です。
親御さんのお気持ちに配慮しながら、経済的な問題を解決できる有効な手段と言えるでしょう。
リバースモーゲージ:
「今すぐ売却はしたくないが、月々の生活費や施設費用が不足しがち」という場合に検討できるのが「リバースモーゲージ」です。
これは、ご自宅を担保にして金融機関から融資を受け、高齢期の生活資金に充てるためのローン制度です。
契約者が亡くなった後に、担保となっていた不動産を売却することで元金を一括返済する仕組みになっています。
この制度のメリットは、家の所有権を持ったまま生活資金を確保できる点です。
ただし、借り入れできる金額は不動産の土地評価額の5割から7割程度が一般的です。
また、金利が変動するリスクや、土地の評価額が下落して融資枠が減る可能性、そして最終的にはお子さんたちが家を相続できなくなるといったデメリットも十分に理解した上で検討する必要があります。
賃貸運用や空き家管理サービス
売却以外の活用法として、ご実家を賃貸に出して家賃収入を得るという方法もあります。
家賃収入で固定資産税や管理費などの維持コストを賄うことができれば、経済的な負担を軽減できます。
ただし、貸し出す前にリフォームが必要になったり、入居者が見つからない空室リスクがあったりすることも考慮しなければなりません。
JTI(一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)の「マイホーム借り上げ制度」などを利用すれば、専門機関が借り上げてくれるため、空室時でも安定した家賃収入が見込める場合があります。
また、将来的にはご実家を利用する予定があるものの、当面の管理が難しいという場合には、「空き家管理サービス」の利用が有効です。
専門の業者が定期的に巡回し、換気や清掃、防犯対策などを行ってくれるため、建物の劣化を防ぎ、自治体から「特定空き家」に指定されるリスクも軽減できます。
親名義の不動産売却における手続きと注意点

親御さん名義のご実家を売却する場合、法律上の売主はあくまで親御さん本人です。
しかし、高齢であったり、遠方に住んでいたりする親御さんに代わって、お子さんが手続きを代行するケースがほとんどでしょう。
その際に、どのような手続きが必要で、何に注意すべきかを事前に把握しておくことが、スムーズな売却の鍵となります。
【親が健在の場合】委任状を用いた代理売却の手順
親御さんの判断能力に問題がなく、ご実家の売却に同意されている場合は、「委任状」を作成してもらうことで、お子さんなどが代理人として売却手続きを進めることができます。
この委任状は、親御さん本人が「不動産売却に関する一切の権限を代理人に委任します」という意思を示すための非常に重要な書類です。
委任状には、親御さん本人の自筆での署名と実印の押印が必須です。
さらに、その実印が本物であることを証明するために、印鑑登録証明書も併せて用意する必要があります。
ただし、委任状があれば全ての手続きを代理人のみで完結できるわけではありません。
売買契約の締結時や、最終的な代金決済・物件引き渡しの際には、司法書士や不動産会社の担当者が親御さん本人と直接面談し、「本当にご自身の意思で売却するのですか」という最終的な意思確認を行うのが一般的です。
これは、後々のトラブルを防ぐための重要なプロセスです。
不動産売却の一般的な流れ(査定から引き渡しまで)
老人ホームへの入居に伴うご実家の売却は、一般的に不動産会社に購入希望者を探してもらう「仲介」という方法で進められます。
その基本的な流れは以下の通りです。
- 査定依頼:まず、複数の不動産会社にご実家の査定を依頼し、どのくらいの価格で売れそうかという売却予想額を把握します。
- 媒介契約の締結:査定額や担当者の対応、販売戦略などを比較検討し、最も信頼できると感じた不動産会社と、売却活動を正式に依頼するための媒介契約を結びます。
- 販売活動の開始:不動産会社と相談しながら売り出し価格を決定し、インターネット広告やチラシなどを通じて購入希望者を募る販売活動を開始します。
- 売買契約の締結:購入希望者が見つかり、価格や引き渡し時期などの条件がまとまったら、売買契約を締結します。この際に、買主から手付金を受け取ります。
- 決済・引き渡し:契約で定めた日時に、買主から残りの売買代金を受け取ると同時に、ご実家の鍵を引き渡し、所有権移転の登記手続き(司法書士が代行)を行えば、売却は完了です。
なお、売却に際しては、不動産会社に支払う仲介手数料や、契約書に貼る印紙代、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記費用など、売却価格の5%から10%程度の諸費用がかかることも念頭に置いておきましょう。
老人ホーム入居時の住民票の扱いと売却への影響
親御さんが老人ホームへ入居する際には、原則として住民票を施設の住所に移すのが一般的です。
これは、住民票がある自治体が介護保険の保険者となり、様々な介護サービスを受けるために必要となるからです。
しかし、ご実家を売却する観点から見ると、住民票の移動タイミングには注意が必要です。
不動産を売却する際には、登記簿に記載されている所有者の住所と、印鑑登録証明書に記載されている現住所が一致している必要があります。
もし、売却手続きの前に住民票を老人ホームの住所へ移してしまうと、登記簿上の住所と現住所が異なってしまい、所有権を移転する前に住所変更の登記手続きが別途必要になります。
これにより、余計な手間と費用が発生してしまいます。
そのため、可能であれば、住民票の移動はご実家の売却が完了した後に行う方が、手続きはスムーズに進みます。
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老人ホーム入居に伴う自宅売却の体験談・口コミ

親御さんの老人ホーム入居に伴うご実家の売却は、ご家族にとって一大決心です。
実際に同じような経験をされた方々の体験談や口コミは、これから決断をされる方にとって、具体的なイメージを掴み、注意すべき点を知るための貴重な情報源となります。
ここでは、売却がスムーズに進んだ成功事例と、親御さんとの感情的な側面に配慮しながら慎重に進めた事例、体験談を紹介します。
短期間で売却に成功し老後の資金を確保した事例
こちらは、不動産の一括査定サイトを利用して、スムーズな売却を実現された方の体験談です。
愛知県名古屋市にお住まいのNさんは、お父様が亡くなられたことと、ご自身の定年退職が重なったことを機に、ご実家だったマンションの売却を検討し始めました。
まず一括査定サイトを通じて6社の不動産会社に査定を依頼。
各社の査定額だけでなく、担当者の人柄や対応の丁寧さを重視して、最終的に1社に売却を依頼することを決めました。
その後の売却活動は非常に順調に進み、依頼からわずか3ヶ月という短期間で買主が見つかり、引き渡しまで完了させることができました。
築13年、4LDKのマンションを売却して得た資金は、ご自身の老後のための大切な貯蓄に充てることができたそうです。
この事例からは、信頼できる不動産会社を慎重に選ぶこと、そして早めに行動を起こすことが、迅速な資金確保につながるという教訓が見て取れます。
専門家に助けられた体験談
ご実家の売却は、経済的な合理性だけで進められるものではなく、長年住み慣れた家に対する親御さんの愛着や感情に寄り添う必要があります。
親御さんの説得に苦労されるケースは少なくありません。
あるご家族の事例では、87歳のお父様と、認知症を患う82歳のお母様が施設に入居されることになりました。
しかしお父様にとって、ご実家は「いつでも帰ることができる場所」であり、心の支えになっていました。
そのため、息子さんから売却の話が出ると、強く反対されたそうです。
そこでご家族は、すぐに売却を迫るのではなく、まず税理士などの専門家に相談し、客観的な資金シミュレーションを行いました。
その結果、ご両親の年金収入(月額約25万円)に対して施設費用(月額約50万円)は不足するものの、お持ちの預貯金(約2,400万円)で計算すると、入所後8年間は資金が持つことが分かりました。
この客観的なデータから、ご家族は「今、慌てて売却する必要はない」と判断。
お父様のお気持ちを尊重し、まずは税金の優遇制度が利用できる3年以内のタイミングで、改めて売却について話し合うという結論に至りました。
この事例は、感情的に対立するのではなく、専門家のアドバイスを元に冷静な資金計画を立てることが、ご家族全員が納得できる結論を導き出す上でいかに重要であるかを示しています。
失敗しない不動産会社選びと専門家への相談のコツ

親御さんの大切な資産であるご実家の売却を成功させるためには、パートナーとなる不動産会社選びが最も重要な鍵を握ります。
どの会社に依頼するかによって、売却価格や売却までにかかる期間が大きく変わることも少なくありません。
信頼できる不動産会社を選び、必要に応じて税理士などの専門家と連携することで、複雑な手続きも安心して進めることができます。
複数の不動産会社に査定を依頼し比較検討する
ご実家の売却を考え始めたら、まずは1社だけでなく、必ず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産会社によって得意な物件の種類や販売戦略が異なるため、同じ物件であっても査定額に数百万円もの差が出ることが珍しくないからです。
最近では、インターネットの一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の会社(最大6社など)にまとめて査定を依頼できるため非常に便利です。
査定を依頼した後は、提示された査定額の高さだけで判断するのではなく、「なぜその価格なのか」という根拠を明確に説明してくれるかどうかが重要です。
また、担当者の対応の丁寧さや相性、ご実家に合わせた具体的な販売計画を提案してくれるかなど、複数の視点から総合的に比較検討し、信頼して任せられる会社を見極めましょう。
空き家や相続物件の売却実績が豊富で地域に精通した会社を選ぶ
売却を依頼する不動産会社を選ぶ際には、会社の規模や知名度だけでなく、ご実家があるエリアでの売却実績、特に空き家や相続に関連する物件の取り扱い実績が豊富かどうかを確認することが非常に重要です。
地域に精通した会社は、その土地の相場観やどういった層が購入を希望しているかを熟知しているため、的確な価格設定と販売戦略を立てることができます。
また、空き家特有の問題(建物の劣化状況の把握や管理方法など)や、親御さんに代わってお子さんが手続きを進める代理人取引にも慣れています。
会社のウェブサイトで過去の取引事例を確認したり、面談の際に同様のケースを扱った経験があるかを直接質問したりして、安心して任せられる実績があるかを確認しましょう。
税理士や司法書士など専門家と連携している会社に相談する
親御さんの不動産売却には、不動産の知識だけでは解決できない複雑な税金や法律の問題が絡んできます。
例えば、「3,000万円の特別控除」を適用するための税務申告、親御さんの判断能力が低下した場合の成年後見制度の利用、そして将来の相続税対策など、専門的な知識が不可欠です。
こうした問題に対応するため、税理士や司法書士といった専門家とスムーズに連携できる体制を整えている不動産会社を選ぶと非常に心強いでしょう。
専門家と提携している会社であれば、売却の相談と並行して税金や法律に関するアドバイスもワンストップで受けることができ、自分で一から専門家を探す手間が省けます。
複雑な問題をまとめて相談できることで、ご家族にとって最も有利な方法を見つけやすくなり、安心して売却手続きを進めることができます。
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まとめ
今回は、親御さんの老人ホーム入居に伴う実家の売却について、判断基準から具体的な手続き、税金の優遇制度まで解説しました。
実家をどうするかは、ご家族の経済状況だけでなく、親御さんのお気持ちや将来の計画にも関わる非常に重要な決断です。
実家の売却は、税金や法律が複雑に絡み合うため、ご家族だけで判断するのは簡単なことではありません。
後悔のない選択をするためにも、まずは複数の不動産会社に査定を依頼してご実家の客観的な価値を把握し、信頼できる担当者を見つけることから始めましょう。
この記事が、あなたのご家族にとって最善の選択をするためのお役に立てば幸いです。



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